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2013/02/14

ゴリラのチョコ

Vt.Dayのチョコでインパクトのあった事といえば、

父が職場でもらって来た「ゴリラが鎮座したチョコ」にまつわる出来事だ。

ご存知の方もあると思うが、その姿はとてもリアルで、チョコの塊がでーんとある。

毎年有り難い事にチョコを貰えた父だが、このゴリラに関しては、

食べるのが可哀想だと、手つかずにしたままだった。

確かに、どこから手をつけたら良いのか途方に暮れる物だった。

小分けに切るにしても、首を切るとか腕を切る、腹を切るとなると、

何となく痛みを伴うし、じゃあ仕方ないと丸ごと口に入れられる代物では無かった。


そうこうしている内にどこかへ行ってしまって、

ホワイトデーにお返しをした後には、すっかりその存在を忘れていた。

父はいつも「お返しは1人ずつ渡さなきゃいけないから大変だ」などと言っていたが、

外面の良い母はいつも、お菓子にタオルハンカチなどを添えて、失礼のない調達をしていた。

職場の中では貰えない人もいるみたいだったので、貰える方に属しているだけマシなのかな、

などと、父が貰ったチョコの殆どを頬張りながら、私は単純に考えていた。


しかし父の退職の日に、目を真っ赤に腫らしてまで泣きじゃくっていた女性事務員が居たらしく、

なかなか深い思い入れを持ってもらっていたんだと分かった。

もう少し若い頃の私なら、その思い入れに対して警戒心を高めていただろうが、

その頃になると、家庭ではないがしろにされていた父でも、

手厚い愛情をもらえる場所があってよかったよかったと思うようになっていた。

当の本人が至って鈍感で、妻命だから横道に外れる事もなかったのだろう。


数年後、前出のゴリラはひょんな所からお出ましした。

私が玄関の靴箱を整理していた時、奥の方からごそっと出て来たのだ。

なぜ靴箱にゴリラを収納したのか?

その謎は誰にもわからない。捨てる事と片付けが苦手な母らしい手段ではあった。


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